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普段から多くの家と向き合い、膨大なインテリアの知識をもった建築家のみなさん。そんな彼らが住んでいる家には、いったいどんなこだわりがあるのでしょうか。

建物へのこだわりだけでなく、自慢の家をキレイに保つお掃除方法も紹介するインタビューシリーズの第二弾です。

今回は、どんなおうちが登場するのでしょうか…?


今回登場していただく建築家さんは?

取材させていただいたのは「YUUA建築設計事務所」の相原まどかさんです。

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Photographed by 傍島利浩

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Photographed by 傍島利浩

モダンな建築デザインを得意としている方で、住宅だけでなくコーポラティブハウスなども手がけています。そんな相原さんが設計したご自宅は、JR阿佐ヶ谷駅から少し歩いた通り沿いにありました。


築80年以上の古民家をリノベーションしたお家って?

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Photographed by 傍島利浩

こちらが相原まどかさんの自宅兼事務所。木造二階建て、築80年以上の古民家をリノベーションしています。両隣の近代的なマンションが、古民家の存在感をよりいっそう際立たせています。

歩道と家の境に塀のよう仕切りはなく、まるで商家のようなたたずまいが特徴です。

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引き戸を開けると、土間のような多目的スペースが広がっています。

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昼は事務所を訪れた人との打合せスペースになり、夜は夫婦がくつろぐリビングスペースとして使われています。壁にスクリーンを掛けて、友人たちと映画やスポーツ観戦を楽しむこともあるそうです。

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天井高は4mほどの開放的なスペース。ニューヨークの職人による照明がいいアクセントになっています。

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建物の正面脇には細い小道があり、その先に家族専用の玄関があります。いまでは珍しくなった引き戸の玄関扉です。

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キッチンは人研ぎ仕上げによるアイランドタイプ。カウンターの側面にはめられた木の板は、リノベーション前に壁に使われていた木材を再利用しています。モダンなキッチンなのに、色や仕上げを工夫することで古民家の雰囲気にうまく調和させています。

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Photographed by 傍島利浩

浴槽は地下に掘り込むちょっと変わったスタイル。ガラスでスケスケですが、もちろんブラインドで目隠しできますよ。

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Photographed by 傍島利浩

二階には夫婦の寝室とセカンドリビングがあります。畳だった床をフローリングに変えていますが、その他に大きな変更はしていないとのこと。ただし、窓枠、照明、扉、取手の金物にいたるまで、ディテールの改修にはかなりのこだわりが感じられます。


古民家とお掃除の関係を教えてください

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相原さんには、事前にエレクトロラックスの最新コードレス掃除機「エルゴラピード」を使っていただきました。

古民家の掃除って、一般的なおうちより大変だったりするのでしょうか? 相原さんにお話をうかがってみました。

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ー思った以上に古い建物でビックリしました

タイムスリップしたみたいですよね(笑)。だいたい築80年ぐらいだと聞いてます。私たちの前は住居として使われていましたが、もともとは和菓子屋さんだったそうです。

ーなぜ古民家に住もうと思ったのですか?

職業柄、本当は新築を考えていました。はじめは土地を探していたんですが、いいと思う場所はすぐに売れてしまって。なかなかいい出会いがなかったんです。

そんなとき、ここが「古家付きの土地」という扱いで出ていました。不動産価値としては、ほぼ「0円」の古家だったんですが、中を見ると柱や梁などけっこう立派な造りだったんです。元々は古民家に住む予定はなかったのですが、最終的にはかなり方向転換をして、ここをリフォームすることに決めました。

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ー古民家ってすごく憧れるんですが、住みにくさは感じませんか?

私たちは建物の専門家でもあるので、予測できる「問題点」に関しては先に手を打とうと決めていました。例えば、寒さ対策としてメインの壁には吹き付けの断熱材を入れていますし、床暖房も取り付けています。外の扉も“木枠”はそのまま使っていますが、すきま風が入らないような工夫をしています。

夏は比較的過ごしやすいんです。漆喰の壁や木の柱が室内の湿気を調整してくれますし、ここは天井が高いのでクーラーなしでも意外と涼しいんです。

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ー予想外に困ったことってありましたか?

家具選びが思ったよりも難しいですね。もともとモダンな建物を設計していたので、持っていた家具もモダンなものが多かったんです。デザイン的に合うものと合わないものは分かれますね。

今回使ったエルゴラピードはモダンな形ですが、意外とこういう和空間でもハマると思います。

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ー普段は、どんな掃除機を使ってますか?

業務用のスティックタイプです。

ー新しいエルゴラピードの使い心地はどうでした?

すごく使いやすかったです。いま使ってるものはずっとスイッチを押し続けないといけなくて。その方が無駄なバッテリーを使わないんですが、家中を掃除すると指が痛くなるんですよね。

ーエルゴラピードは連続で約45分使えるそうです

それはいいですね。いまの掃除機は、家中を掃除するとバッテリーが最後までもつか心配になるんです。45分もあれば、床以外も掃除できますね。

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ーどのくらいの頻度で掃除をしていますか?

事務所も兼ねているので人の出入りが多くて、なかなかまとまった時間がとれないんです。だから、ゴミが目に入ったらすぐに掃除機をかけるようにしています。エルゴラピードもそうですが、コードレスだと気になったときにササッと使えるところがいいですよね。

ー新築やマンションと比べて、古民家の掃除って大変ですか?

段差が多く、階段も狭くて急だったりしますからね。

そう考えると、ハンディとして使えるのはやっぱり便利です。

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私たちの場合、この家では「味がでる素材をつかう」というテーマがありました。でも裏を返すと、味がでる素材とは「ヨゴレやすい素材」でもあるんですよね。

ーなるほど

床も味がでやすい仕上げにしたのですが、ヨゴレなのか味なのか見分けるのが難しいときもありますね(笑)。気になるシミやヨゴレがあったら水拭きをするようにしています。

ーメンテナンスが大変なんですね

2階のフローリングには「桐(きり)」を使っていますが、桐ってすごく柔らかい素材なのでキズがつきやすいんです。メンテナンスのことを考えると、フローリングに使うケースは多くはないです。

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でも、桐は素足で歩くと他の木材にはあまりない“あたたかさ”があります。触り心地もいいし防虫効果もある。桐ダンスを見るとわかるように、はじめは真っ白でも次第に色が濃くなっていきます。メンテナンスは大変ですが、素材の味や経年変化を楽しむという点では面白い素材なんです。

古民家の場合、もともとがすでに古びたものなので、そこにどんな素材を合わせるかが大きなポイントだと思うんです。ここでは、あえてヨゴレやキズが付きやすいものを選び「エイジングを楽しむ」ことをテーマにしました。オリジナルの部分とリフォームした部分、それぞれの変化する様子をゆっくり楽しみたいと思っています。

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ーエイジングを楽しむ家。古民家にピッタリのテーマですね

古民家のリフォームは、「どこまでやるか」「何をやるか」が非常に悩ましいところなのですが、今回はこれまでの増築や以前のリフォームで加わったものを取り除き、もとのプロポーションを美しくみせることにこだわりました。

ひとまずリフォームはこれで終了ですが、将来的には空間を少し変化させたりしてみたいですね。

ーと、いいますと?

例えば、二階の床をガラス張りにして、一階と二階を視覚的につなげるとか…? もともとの雰囲気を壊さないように気をつけながら、変化を楽しみたいですね。

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ー本日は貴重なお話をありがとうございました

こちらこそありがとうございました。


古民家が教えてくれる「長く使うことの大切さ」

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古民家はキズが付きやすくヨゴレやすい家だからこそ、日々の掃除が重要になってきます。掃除へのモチベーションを維持するためにも、ストレスの少ない掃除道具や環境を整えておくことが、おうちをキレイに保つ秘訣かもしれません。

コードレス掃除機を選ぶときも、バッテリー、重量、掃除の頻度、収納方法、デザインなど、自分のライフスタイルにあった掃除機を選ぶことがとても大切です。「吸引力がすごい=使いやすい掃除機」というわけではありません。毎日使いたくなるかどうかがポイントかもしれませんね。

取り壊し寸前だった古民家を、見事に美しくよみがえらせた相原さん。日々の掃除は大変かも知れませんが、手をかけながら「長く使うことの大切さ」を教えてもらった気がします。


[Electrolux]

取材協力:SUVACO
Photographed by Kenta Terunuma

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